「さよなら渓谷」

15年前の“罪”が、再びふたりを引き寄せる―。

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原作・吉田修一×監督・大森立嗣が挑戦し、挑発する、極限の愛の形

原作は「パレード」「悪人」「横道世之介」など、海外でも高い評価を受けている芥川賞作家・吉田修一の長編小説。数々の映画化で“映画的”に昇華する原作の力はすでに不動のものとなっている。今回、自身が“極限の愛の形”を描いたと語るとおり、運命の相手とこれ以上ない残酷な出会いをしてしまった男と女の姿を描く。原作に惚れ込み、メガホンをとったのはベルリン国際映画祭招待作として上映された『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』、『まほろ駅前多田便利軒』で強烈な指示を得ている大森立嗣。「常軌を逸した関係のふたりだが、もう一歩踏み込んで、愛のようなものが生まれる瞬間に触れたかった」と語るとおり、全編を通し、ねっとりとした夏の暑さ、ヒリヒリと妬けつくような男と女のただならぬ緊迫感がスクリーンからほとばしる。さらにエンディングに流れるのは、椎名林檎が本編を見て生み出し、真木よう子が歌うという念願のタッグも実現した「幸先坂」。かなこの心情を明かすようでもあり、物語の続きを思わせる余韻を残している。原作、監督、楽曲のコラボレーションで描く男と女の物語が、見るものを挑発する。

 

タイトル 「さよなら渓谷」
監督 大森立嗣
キャスト

真木よう子/大西信満/鈴木杏 井浦新 新井浩文/鶴田真由/大森南朋

原作 吉田修一『さよなら渓谷』(新潮文庫刊)
脚本 高田亮 大森立嗣
エンディングテーマ 「幸先坂」(UNIVERSAL MUSIC) 歌:真木よう子 作詞・作曲:椎名林檎
   
配給 ファントム・フィルム
製作 2013「さよなら渓谷」製作委員会
公開日 2013年6月22日(土)
公式Twitter keikokumovie
公式Facebook keikokumovie
    

STORY

15年前の“罪”が、再びふたりをたぐり寄せる―

男と女の奇妙な関係、夫婦でいることの、本当の理由とは。

 

尾崎俊介(大西信満)と妻のかなこ(真木よう子)は、都会から離れた緑豊かな渓谷で暮らしている。そんな長閑な町で起こった幼児殺害事件は、その実母が実行犯として逮捕されるというショッキングな結末で収束に向かっていた。

しかし、事件は一つの通報により新たな展開を見せる。容疑者である母親と俊介が以前から不倫関係にあり、共犯者として俊介に嫌疑がかけられたのだ。そしてこの通報をしたのは、妻のかなこであった。

 

なぜ妻は夫を告発したのか?

事件の取材を続けていた週刊誌記者の渡辺(大森南朋)は、必要以上の生活用品も持たず、まるで何かから隠れるようなふたりの暮らしに疑問を抱く。

そして、15年前に俊介が犯した“罪”がふたりを結びつけていたという衝撃の事実を知る。

果たして、ふたりを結びつけている本当の理由とは―。